全体最適

ルービックキューブというおもちゃをご存知でしょうか？私の世代であれば、必ずは一度遊んだことのあるおもちゃですよ。サイコロ状のキューブが6色に色分けされていて、ばらばらになっている色を揃えていくパズルです。いまは目隠ししてそろえる方もいるようです。そこまで行くと神がかり的です。

実はルービックキューブには群論、群置換という数学的な解き方が存在していることをご存知の方はあまり多くはありません。あのパズルはある決まったプロセスを必ず踏んで解いていくものなんです。偶然、解けたという類のパズルではありません。逆に言えば一度解き方を覚えれば、基本的には何度でも解けます。私も方法を理解してからは6面クリアできるようになりました。

つまり、ルービックキューブは1面が出来たら2面に挑戦、2面が出来たら3面に挑戦するというパズルではないということです。多くの方が1面そろえるところで終わってしまいます。一体、何が大きな壁として立ちはだかるかといえば、2面目をそろえようとすると最初にそろえた面が崩れてしまうということなのです。

しつこいですが、そういうそろえ方は出来ないパズルなのです。

ビジネスでは「全体最適」というものが非常に大事になってきます。ある部分を最適化して、次に別の部分を最適化しようとすると、以前最適化したところが崩れてしまう。そんな経験は結構あるのではないでしょうか？

最初から全体を最適化するという絵をどこまで頭の中できちんと描いているか、そしてその解き方（プロセス）を踏んで進めることで全体の最適化（6面をそろえる）は実現されるのでしょう。