おおよそ社会では年齢を重ねるごとに、周囲は意見を言ってくれなくなっていきます。子供のころはあれほど「勉強しなさい」「何々するときは気をつけなさい」「早く帰ってきなさい」などなど親や先生やいろんな人から意見を言われてきましたが。大人になり、しかも、社長や経営陣になどなろうものなら、もはやほとんどの人は意見を言ってくれなくなります。
うるさいことを言われずうらやましい・・・と子供には言われそうですけど(笑 なかなか寂しいことだと思いませんか?そうなってしまうのはもちろん仕方のないことですが、少しでも意見を引き出すためにはやはり謙虚になるということが大事ですよね。例え、新人であろうが何か意見をしてくれた際には耳を傾け聞く姿勢、それがあれば、裸の王様にならずに済むかもしれません。
以前、雑誌の記事である大物俳優さんのことが書かれていました。その俳優さんは「東海道中膝栗毛」を演じることになったそうです。やじさんきたさんが出てくる旅物語ですね。衣装に着替えて出番を待つ際に、付き人の人から「先生、ひもが緩んでますよ」と言われたそうです。俳優さんは「気が付いてくれてありがとう」と伝えてひもを縛り、舞台に上がる直前にまたひもを緩めて舞台に出ていったそうです。つまり、長い旅の道中で緩んでしまったという演出だったのでしょう。
なんでそのことを付き人に言わなかったんですか?と問われると、もし私がそんなことを言ってしまったら、彼は「きっと先生のことだから何か考えがあってのことに違いない」ということで、二度と私に意見してくれなくなってしまう。といったそうです。人の意見を引き出すってそういう気持ちが必要なんだなと気付きをいただきました。