「彼を知り己を知れば百選危うからずや」とは相手のことを理解して、自分のことも理解していれば百戦百勝だという意味です。今日は己を知るという部分についてお話をいたします。
自分のことは自分が一番よく知っていると多くの人は考えているのではないでしょうか?もちろんそういう側面はあります。が、一方で世の中で自分の背中が見えないのはただ一人自分です。つまり、自分だからこそ気が付いていない部分があるものです。他人のことはわかっていないことが前提になっているのに対して、自分のことは中途半端にわかっているつもりになってしまうのが課題といえます。
以前、ある会社のコンサルティングをさせていただいた際に、その会社の商品の売れ行きがよくない理由を調査しました。営業の人にヒアリングした結果は90%以上の人が「価格が高すぎる」という理由を1位に上げました。しかし、お客さんに同じアンケートを取ったところ「営業の方の対応がよくないから」が1位になりました。価格の高さなどほぼ気にしていませんでした。その社員さんたちはだめですね・・とお思いかもしれませんが、実はこういうことはよくあるものなのです。
己を知るとは自分だけが自分のことをどのように考えているかを知ることではありません。相手が自分のことをどのように考えているのかをしっかり理解することが非常に大事です。