周利槃特(しゅりはんどく)

日本理化学工業さんという障碍者をたくさん雇用している会社にお邪魔したときのこと・・・見学の前に太田会長のお話を伺う機会がありまして、こんなことをお話されていました。

皆さんは「羅漢」ってご存知でしょうか?正式には「阿羅漢」というらしいです。私も名前ぐらいしか聞いたことなかったです。仏教における修行最高段階の地位だそうです。羅漢は16人しかおらず尊敬や施しを受けるに相応しい聖者のことを言います。そのお釈迦様の弟子、羅漢16人の中に周利槃特(しゅり・はんどく)という方がいます。周利槃特はお釈迦様の弟子中でもっとも愚かで頭の悪いお弟子さんでした。今で言うところの知的障害者だったのかもしれません。自分の名前さえしばしば忘れるほど記憶力が悪かったので、背中に名札をはっていたというエピソードを後から読みました。

それほど記憶力がおとっているので、当然ながらお経を暗記することなど出来ません。そこでお釈迦様は彼に一本の箒(ほうき)を与えて「塵を払い、垢を除かん」と教えます。それからというもの、彼はくる日もくる日も掃除をします。そうして、お経は一つとして読むことは出来ませんが、お弟子さんの中で最高位である羅漢16人に入ったそうです。

お釈迦様は大衆に「悟りを開くということはたくさんお経を覚えることでは決してない。たとえわずかなことでも、徹底しさえすればそれでよいのである。見よ。周利槃特は箒で掃除することに徹底して、ついに悟りを開いたではないか」と言ったそうです。私も多くのことを極めようとせず、まずは自分にできる、自分が最も得意とすることを極めていきたいと思います。

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