彼を知る

「彼を知り己を知れば百戦危うからずや」先日の記事で己を知るという話をさせていただきました(9月6日記事:己を知る)。今日は相手のことを知るという部分を考えてみます。

私は大学卒業後広告代理店に就職しました。主にはIT系のお客様を担当していたのですが・・そこで、たまに社長から声をかけてもらい社長室で定期的に研修をしてもらっていました。内容は、今自分が担当しているクライアントはどこなのかを質問され、その会社の会社案内を30分間するというものでした。いわゆる他社紹介というやつです。まだ新人だった私は、自社紹介すらままならない状況でした。そんな中で、他社の紹介を30分するというのはなかなか難易度が高かったです。社長からはいろいろなことを質問されます「売り上げの構成比率は?」「新卒は毎年何人ぐらいとるのですか?」「商品の競合との差別化は?」どれか一つでも答えられないと、そんなことでその会社の提案ができると思っているのかとひどく叱られたものです。

そんな研修を1年も続けていると・・お客さんよりもお客さんのことを知っているという状態になります。そうなってしまえば、もう私以外に仕事の依頼はできなくなってしまうということがよくわかりました。そりゃそうですよね。行きつけのお寿司屋さんに行く気持ちも同じです。そのお寿司屋さんに行けば自分が何を好きで、どんな順番で食べたいのか、ビールなのか日本酒なのかお茶を飲むのか。そんなこと何も言わなくてもわかってくれている、そんなお店他にはないからそこに行く。例え、日本一美味しい寿司屋さんがあっても、どちらのお寿司屋さんが美味しく、落ち着いて食べることができるのか?顧客の気持ちとはそういうものだと教えていただきました。

相手を知るということはそういうことです。知るためにもまずは興味を持たなくてはいけませんね。

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